Gil-Martinの部屋

Gil-Martinの愛する音楽、感じたことなどなど

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わたしのことを忘れないで、わたしの話を聞いて
前回は、地味だなーと言う人だったのですが、今度はわりと派手に注目を集めたこともある人です。Wendy James。という名前ではほとんどわからないと思いますが、Transvision Vampと言えばどうでしょう? でもイギリス限定で話題になったバンドだと思われるので、何それ、と思っている人は多いかも。ここがTransvision Vampのファンサイト。(http://www.transvisionvamp.com/band/wendyjames.html)まだあるんだーと感心してしまいますが。

Transvision Vampは、かわいい女の子が男の子のバックバンドを従えて過激なことをやってみましたという、よくある感じのバンドでした。プラチナブロンドの若くてかわいい女の子が、少々舌足らずに歌うわけです。彼女の役割は性的に過激なことを言い、またはセクシーな行動を起こして、プレスの注目を集めること。Wendy Jamesはその役割を充分果たしていたのですが、そういうバンドによくある運命として、あっという間に解散。その後、なぜかElvis Costelloの助けを得て、出したアルバムが、今日、紹介するアルバム Now Ain't the Time for Your Tearsです。
WendyJames
このアルバムもそれほど大々的に成功することはなく、Elvis Costelloとのコラボレーションもこの一枚で終わり、彼女は忘却の彼方に消えて行ったのです。とは言え、実は細々と今も活動は続けているみたいです。自分ひとりでRacineというバンドをやっているみたいです。彼女のウェブサイトはこちら。(http://www.theracineworld.com/)写真を見ると、やっぱり歳をとってしまったなあ、という感じです。ちょっとParis Hiltonに似てきたでしょうか? うーむ、彼女のこの姿は、かわいくてセクシーであることを売り物にしていた女性が、30歳、40歳となったときにどうやって生きていくかという問題を体現しているかもしれないですね。Wendy Jamesはやっぱりかわいくてセクシー路線で行こうとしているようですが、あのかわいさは最早ない。かわいくてセクシーであるということは、歳を重ねると難しいことなのですね。かわいいおばさん、おばあさんはいるし、セクシーなおばさん、おばあさんは……いや、セクシーなおばさんはいてもおばあさんは嫌か、ともかく、それぞれなら歳を取っても魅力を保てる可能性はあるが、かわいくてセクシーってダメなのかもしれません。皺のあるかわいいおばさん、皺のあるセクシーなおばさんはいても、皺があってかわいくてセクシーというのはかなり実現不可能なことのように思えます。はあ、これからの自分の行く先を考えてしまいます。とはいえ、かわいくてセクシーだったことなんてないので、まったくの杞憂なのですが。

Elvis Costelloが全面的にプロデュースしたこのアルバムは、彼女のかわいくてセクシーな魅力を使ってやっていたことを振り返る内容になっています。Costelloが気持ちを推し量って書いた歌詞のようです。なので、彼女は単なる操り人形だったのだ、その糸を切りたいの、と歌っています。音を聞けば、まさにCostello。この前、Costelloはひねくれた若者の声を持っているといいましたが、Wendy Jamesもその若い声でこのCostelloの音楽にぴったりあっています。彼女は歌がうまくなく、幼い感じさえする歌い方をします。必死で歌っているという感じ。それがTransvision Vampのときは無理をして人に言われるがまま大胆な言動を演じていたのだのだという歌詞に信憑性を増しています。この頃、かわいくてセクシーと言えども、彼女は26、7歳ですね。ぎりぎりか? ともかく、このアルバムは彼女が痛々しくて、ちょっとキュンとするところがわたしは好きだったのですが、誰もそれほど気にしなかったみたいです……。

原詞はこちらから 

わたしが言っていること、わかる?
歌詞:Elvis Costello
訳詞:Gil-Martin

飾り立てた昔のプリマドンナが、観衆に愛されなくなったとき
どんな気持ちだったか話していた
わたしの言ってること、わかるかな?
そのメロドラマチックな別れのこと
2000デシベルとかそのくらいの音のなかでのね
わたしの言ってること、わかってくれる?

明かりを暗くしたなか、ストラウスの曲が流れる
彼女は体をぶざまに伸ばしてローラースケートを履いて登場
そして救急車みたいに踊って
マンガのネズミみたいに話す
彼女が洋服を脱ぐと、客は大喝采
わたしの言ってること、わかる?

わたしの言ってること、わかる?
なんでわたしが呼んでも来てくれないの?
わたしが言ってること、わかる? まだわたしの声、聞こえる?

男の場合だったら、愚かで、残酷で、お金持ち
世界の脇の下のかゆみみたいなもの
わたしの言ってること、わかる?

彼はとっても魅力的な田舎者の若者だから
言ってないことも彼が言ったことにして、後で苛めるの
それが何についてだったかなんてどうでもいい
彼が意地悪なことを延々と言っているってことになれば
わたしが言ってること、わかる?

男の子はいつまでも男の子
血が流されなくちゃならないの
ショービジネスほど
罪悪感をいっぱい感じさせて
論理的能力をなくさせるものはないわね
わたしの言ってること、わかる?

彼はこの不自然な状況のなかでも本物の声
そして、調べが始まったときに
最初に声をあげた
犯罪歴とポリエチレンみたいな肌を持って
彼は台詞をとちって、頬をへこませる
わたしが言ってること、わかる?

シッ、黙って、彼、何か言うことがあるみたい……
「両手をこんなふうにできるかな?」
わたしの言ってること、わかってくれる?

*アーティスト:ウェンディ・ジェイムズ
作品:ナウ・エイント・ザ・タイム・フォア・ヨア・ティアーズ
   「ドゥ・ユー・ノウ・ワット・アイム・セイイング?」

| gil-martin | 音楽 | 21:38 | comments(1) | trackbacks(0) |
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たまたま聴きながら仕事中に、ふと検索してやってきました。
この頃というより、ちょっと前のコステロ節全開という曲ばかり。
コステロバージョンも聴いてきたいものです。
とても素晴らしい内容ですね。
| わいわい | 2021/10/15 8:36 PM |









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