Gil-Martinの部屋

Gil-Martinの愛する音楽、感じたことなどなど

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露出狂の女
ブログを始めて気づいたことは、どうやらかなりコアなTori Amosファンの方が日本にも結構いらっしゃるらしいということ。とってもうれしいことです。日本にまともなコンサートに来たことがないはずなのに、すごいと思います。それに較べ、どうやらフジロックフェスティバルなんかにもやってきているらしいPJ Harveyは、だからなのかもしれないけど、コアなファンというよりは、PJ Harveyってかっこいいなー、くらいのファンや男性ファンが結構いるみたいです。全世界的にもTori Amosのファンは、崇拝しているかのような女性ファンとオタクな男性ファン、PJ Harveyには普通にロックが好きな男性、女性ファンがいるみたいです。

この人たちもPJ Harveyが好きみたいです。

Anthony and Flea from RHCP, “If PJ Harvey was here

これを見る限りAnthonyがどのくらいPJ Harveyが好きか今ひとつ不明だけど(グレコローマンレスリングを一緒にしたい、って言われても……???)、FleaはまともにPollyが好きみたい(お熱上げたことなんか無いフリをして、彼女にxxxさせてもらいたいって!)。Red Hot Chili Peppersの二人がこれだけ(?)PJ Harvey を好きなら、男たちがPJ Harveyを好きでもおかしくないってわけでしょうか。

ということで、コアなPJ Harveyのファンであるわたしは、ライブDVDも出たことですし(わたしはまだ買ってませんが)、男にもてる「かっこいい」だけじゃないPJ Harveyを今週出来る限り(って恐らくあと1回か2回だとは思いますが)、語ってみたいと思います。ちょっとしたPJ Harvey Appreciation Week!
Please Leave Quietly
Please Leave Quietly

以前、Henry Leeについての記事で少々、PJ Harveyの魅力について書きましたが(一時期ビデオのリンクが切れていましたが、戻りました)、わたしにとってはPJ Harveyの魅力は彼女の女であるところ。完璧な女でもなく最高にかっこよくてキマッてる女でもなく、体の芯から女である女。つまり性的な女。彼女の恋愛の歌は、愛の盛り上がりが性の歓びと同調しているときの歌のように思えます。関係が深く長くなると、日常の思いやりやら、一緒にいることの充足感やら、そういったところで愛を測ったりするようになるけれど、彼女の歌はもう愛がただただ性だけで測られる、不安定な、でも情熱的な段階の愛をいつも表現しているような気がするのです。

そのことを特に感じさせてくれたのは、特に最初の二枚のアルバム(だんだん、洗練されてそこまでストレートな表現をしなくなったから)。デビューアルバム最初の曲は、"Oh My Lover"――「わたしを捨てないで、彼女と一緒にわたしのことも愛してくれればいいじゃない」と歌います。かっこよくも何ともない惨めな女です。でもそれも否定しないで、彼女は体から声を絞りだします。それは、二枚目のRid of Me の"Rid of Me"も同じ。「あなただけはわたしを捨てたりしないで」とすがりつくのです。でも、惨めなだけにならないのは、怒れる女でもあるかも。

Dry
Dry

女としてかっこいいだけじゃなくて、かわいらしくて痛々しいのがPJ Harvey。最初のアルバムの"Sheela-Na-Gig"はそういう魅力全開です。Sheela na Gigとは、イギリスやアイルランドの教会などに見られる女性器を強調した女性の石像のこと(詳しくはこちらへ)。キリスト教に飲み込まれたイギリスで、ケルトの異端宗教の名残だとか、土俗信仰の豊穣の女神だとかいろいろ言われているけど、完全な統一見解はまだないようです。この歌では、男がお前はシーラ・ナ・ギグだ、露出狂だ、とののしるわけですが、キリスト教的な倫理に縛られない女にはそんな罵倒はまったくこたえません。そう、そこも魅力。何を言われても、わたしは女。わたしの論理で生きるの。

ビデオはこちら

歌詞はこちら。まず公式サイトhttp://www.pjharvey.net/へ。そしてLyrics→Album 8. Dry→Tracks Sheela-Na-Gigへ

シーラ・ナ・ギグ
歌詞:PJ Harvey
訳:Gil-Martin

ずっと見せてあげようと思ってたの
ほら、わたしの妊娠するのにぴったりの腰を見て
ほら、わたしのルビーみたいに真っ赤な唇を見て
ほら、わたしのたくましい腕を見て
わたしの魅力たっぷりの体を見てくれなきゃ
あなたの足元にじっと横たわっているんだから
あなたは振り返って、わたしにこう言った
シーラ・ナ・ギグ、お前は露出狂だ
髪の毛から男のそれを洗い落としたほうがいいぜ
「まるで初めてみたい、気にしないんじゃなかったの」
「前にも聞いた。もうやめだ」
「少ししたら、また会うわよ」
「前にも聞いたな」
彼は言った。シーラ・ナ・ギグ、お前は露出狂だ
空っぽの穴に金をつっこんどけ
彼は言った。胸を洗っとけ、不潔なのはいやだ
彼は言った。この汚い枕をどけてくれ

*アーティスト:PJハーヴィー
 作品:ドライ
    「シーラ・ナ・ギグ」


| gil-martin | 音楽 | 22:00 | comments(3) | trackbacks(1) |
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え、そんな歌詞だったのですね・・・。笑
言われてみればToriに比べてPJ Harveyは普通のロックファンがいっぱいいますよね。
なんでだろう?私みたいに歌詞見てなくても、彼女がかなりディープな人だろうっていうのは聴いただけで感じられそうなのになぁ。
| orangeflower | 2006/07/26 1:10 AM |
Orangeflowerさま

でしょー、不思議でしょー? でもやっぱり音楽スタイルの違いのせいなのかなあと思っているところです。ピアノ弾きながら歌うより、ギターをかき鳴らして歌うほうが普通のロック好きな人々にアピールするのかも。……仮説ですが。
| Gil-Martin | 2006/07/26 10:43 PM |
Gil-Martinさん、久しぶりにコメントします。
ここ最近のエントリーで、訳詞を楽しみにしております。

toriは日本での固定イメージが薄い分(海外では違うんでしょうけど・・・)、まぁ自分の好きなように楽しんでいます。
PJ Harveyだってなかなかディープですよね?
それを言ったらBjorkもだし(なぜか日本では大人気)、この3 Womanはなかなかですよね。
| lightsanddaisy | 2006/09/30 11:57 PM |









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Hello, A Piano.
Amazonより届きました。 ほんとに鍵盤でした(笑)。 梱包されている状態。 ブックレットは豪勢で、彼女の過去に発表したアルバムへの コメントや、写真、収録曲をピックアップしたエピソードが 載っていました。 彼女の描いたイラストや、作詞ノー
| ひかりのしま | 2006/09/30 11:52 PM |
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