Gil-Martinの部屋

Gil-Martinの愛する音楽、感じたことなどなど

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このお人形さん、男の子? 女の子?
お久しぶりでございます。ゴールデンウィークですね。やることが山積みなのに、ここまでまったく思ったようにできませんでした。こんなものなのでしょうか? こんなもんですよね、わかっていたことではあるのですが。仕事が進まないなら進まないでどーんと遊びに行っていればよかったのに、地道に衣替えなぞしてしまいました。つまらん。

そこで心を入れ替えて、ブログ記事でも書くことにしました。この前、まとめ買いしたCDの最後の一枚、The Dresden Dollsについて書くことにします。
The Dresden Dolls
The Dresden Dolls
The Dresden Dollsはかなり不気味なグループです。ボストンで活躍している男性と女性のユニット。まず、見かけがやっぱり不気味。女性はすごーい白塗り。男性は、それほどすごい白塗りではありませんが、髪の前半分を短く刈り、後ろは長め。変な人たちです。2000年のハロウィンに出逢ったそうです。ははは。

もちろん音楽も歌詞も変です。でもウェブサイトが結構素敵なんですよね。The Dresden Dollsという名前なので、サイトがドールハウス風になってる。凝ってます。そこに行くには、こちらから。http://www.dresdendolls.com

でもドールハウスって楽しそうだけど、多分、わたしは誰かがくれると言っても断わると思います。ドールハウスは家具を揃えたりする楽しみが中心だろうと思うのですが、人形がいや。わたし、アンティークショップ巡りが結構好きなのですが(といって、日本の素晴らしくお高いのでなくて、アメリカのただの古道具屋に近いタイプのアンティークショップ)、古い家具や食器やジュエリーやバスケット(ってなぜかバスケットやら古いブリキ缶は見るたびに欲しくなる)を見るのは好きなんだけど、絶対、怖い思いをするのが、古い人形がわんさかあるセクション。あれは怖い。古いから怖さ倍増だとは思うけど、あそこに一人で置いていかれたら泣きそうです(いや、いい歳して泣くなよー)。新しくても人形は嫌いです。小さい頃から嫌いでした。何が嫌いって、いろいろ理由はあるけど、あの髪の毛だなあ、何よりも。人工の髪の毛が怖くって。エクステンションとかウィグも実は怖い。エクステンションとかウィグを売っているお店の前は、急いで通り過ぎます。最近、テレビで見る、増毛術(?)のコマーシャルで、腕から髪の毛を生やしているのさえ、見るたびに慌てて眼を逸らしてしまう、かなり臆病者のわたしです。

ドレスデン人形ということは、マイセン焼きのお人形ってことかな? 陶器のお人形? いやいや、それは怖いですね。ということで、そういう理由からも(わたしにとっては)かなり薄気味悪いバンド、The Dresden Dollsですが、アルバムはExplicit Lyricsのマークがついてて、不気味なだけじゃなくて過激でもあります。最初、訳そうと考えた曲では、少女がおじさんを誘ってます。「わたしが恋しかった? キスしたい? でもしちゃったら、お姉ちゃんに言っちゃって、そしたら、お母さん、お父さんにも知られちゃって、弁護士を雇って、逮捕されちゃうかもよ?」なーんてね。小悪魔、ニンフェットですね。
その曲はこちらから。"Missed Me"

KCRWのMorning Becomes Eclecticに出た時の様子はこちらから。
The Dresden Dolls on Morning Becomes Eclectic

彼らのビデオ等はこちらのリンクから。http://www.dresdendolls.com/video/index.htm

とは言え、彼女の声がそんなにロリ声ではないので、そんなにニンフェットと言う感じはしません。どちらかというと、正々堂々と歌いあげるタイプです。ブレヒト的パンク・キャバレーと自分たちでは銘打っていて、ワイマール共和国的なんだそうです。『三文オペラ』で知られるブレヒトですけれども、あまり詳しくないので、どうブレヒト的、どうワイマール共和国的なのかは説明を省かせていただきます。ともかく演劇的な音空間ではあると言ってもいいかもしれません。

という感じで、今日はThe Dresden Dollsの同名アルバムから、"Half Jack,” 両性具有者またはhermaphrodite、androgynousなジャックとジルのお話を。曲はこちらから。"Half Jack"

Your Body is a Battlegroundうーむ、怪しいですねえ。最終的には、ジル一人きりになりたいの、と言っています。ジャックとジル、どっちが元々で、どっちが手術の失敗なのかはわかりませんが、ジェンダーというのはまだまだ闘争の場ですからねえ。ジャックとジルが宿る彼/彼女は、その身体が闘争の場なんですね。そういや、昔、コピーと写真を組み合わせたアートをつくるBarbara Krugerの”Your Body is a Battleground”のTシャツを着ている男の子を見かけたことがあります。そのとき、「おいおい、君は訳がわかって着ているのかい?」と訊きたくなってしまったのですが(このメッセージは、人工中絶を法律で禁止しようとする保守派の動きを牽制するもの。女性の身体がその女性個人のものではなく、政治で争われる戦場になっているという意味)、もしかしたら彼の身体も戦場だったのかしら。どんな戦場? 何と何が戦ってたんだろう?


原詞はこちらから

ハーフ・ジャック
作詞:Amanda Palmer
訳詞:Gil-Martin

半身は水のなか
わたしは半分、母の娘
一部は議論の余地あり
全部セットにすれば
お望みの値段の半値でどうぞ
この評判の悪いハーフウェイハウスでのサービスよ

半分は偶然
半分の痛みは完璧に頼りになる
考えなくちゃいけないことは一杯ある
みんな冗談を言ってると思うの?
彼を怒らせてみたらどうかしら
あなただってもう知ってもいいときだと思うもの

半分はもともとの自然のいたずら、半分は矯正手術の失敗
ここに入り浸るようになれば、何かおかしいって気づくはずよ
あんなお薬ができて元に戻せるようになる前は、暗闇のなかにずっといたのよ
わたしは半分、ジル
そして半分、ジャック

それぞれの半分は平等
二つの悪の交差点
羨むような運命ではないけれど
耳を澄ませば
違いがわかる
半分そうであることと、半分そうでないことの違いが

そして彼を中に入れたとき、縫い目が悪くなっていくのを感じたの
彼を洗い出したかったけど、彼女の言ったとおり、血は水よりも濃しってね
わたしは母の顔を自分に見たの
でも移動するときだけは
出来る限り速く走るの
でも、ジャックが後ろから慌てて付いてくる

わたしが勇気を奮い起こして、彼を追い出すいい方法を考え付いたときには
すごくハイになって、あなたの愛をもってしても落ち込ませることなんてできない
83丁目でも彼はこの事実を変えるような魔法の言葉を見つけられなかった
わたしは半分ジル
そして半分ジャック

わたしは家路を半分やってきた
半分決着がつくことを
期待して
だって、わたしのなかに住まわせるには二人は多すぎる
わたしが壊れてしまうかもしれないでしょ
でも身体なら犠牲にできる
それでジャックのほうをわたしのなかから出してしまうことができるなら
ほら
ジャックが
逃げていく

*アーティスト:ザ・ドレスデン・ドールズ
 作品:ザ・ドレスデン・ドールズ
   「ハーフ・ジャック」



| gil-martin | 音楽 | 20:52 | comments(1) | trackbacks(0) |
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突然失礼致します。
私もthe dresden dollsが大好きです。
安さで比べて輸入盤を買ってちまちま翻訳していましたが、なんだか変な日本語になってしまいしっくりこなかったのです。
しかし、いま貴方の翻訳をみて、「なんだ、もともと不思議な歌詞だったのか」と、やっと落ち着きました。

| Lee | 2010/10/08 8:29 PM |









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