Gil-Martinの部屋

Gil-Martinの愛する音楽、感じたことなどなど

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頂上からふもとまで
"Landslide" by Fleetwood Mac

新しい歌でもなく、何があったのでもないのですが、ふと、この名曲について書きたくなりました。恐らく別れを歌った曲の傑作のひとつに数えていいと思います。

“Landslide”は往年の名バンド、Fleetwood Macの代表曲です。このバンド、ポップ・ロックバンドと呼べばいいのでしょうか。心臓病チャリティーのツアーで再結成したとき、(人にチケットをもらったので)見に行ったことがあるのですが、周りは見事に太めの(というか、肥満の)白人の四十代以上のオッサンとオバサンばかりでなんだか哀愁を感じてしまいました。オッサンとオバサンは心からヒット曲の数々を堪能してらっしゃいましたが。
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ともかく、Fleetwood Macというのはよくわからないバンドで、Fleetwood Macという名前自体はドラマーのMick FleetwoodとベーシストのJohn McVieから来ているにも関わらず、一番重要かつ有名なメンバーは途中から参加したシンガーStevie NicksとギターリストLindsey Buckingham。そしてもっとややこしいのが、もう一人のシンガー、Christine McVieはもちろんJohn McVieと一時期、結婚していて(結婚したからメンバーになったのですが)、Stevie NicksとLindsey Buckinghamは長年、恋人同士でした。バンドのなかで二組もカップルがあったら、そりゃあ、いずれ駄目になりますよねえ。わたしの持論は、プライベートとお仕事は別にすべき。同業者は避けたほうがいいと思います。後で気まずいでしょ?

この曲は、1975年のアルバム、Fleetwood Macに収められているStevie Nicksの手による曲です(Fleetwood Macは曲を書いた人がボーカルを取るシステム)。解釈はさまざまあって、Lindsey Buckinghamと別れようとしたときに書いた曲である(が、そのときはおそらく実際には別れなかった)とか、父親の元を離れて独立していくときに書いた曲だとか言われています。何はともあれ、その後、Fleetwood Macに参加する前から音楽上、私生活上のパートナーだったLindseyとStevieが別れたのは事実で、この曲を彼女とLindseyの関係を歌った曲だと思うとより感慨深いですね。

彼らは再結成コンサートでも仲良くやってましたし、この再結成ツアーまでの流れを密着したテレビ番組でもいろいろ揉めつつもなんとかまとまっていく様子が描かれていました。あれほどの大人になると、悟ることができるんでしょうね。この曲では、二人のあいだに流れた時間、そして時間のせいでどうしようもなく起こる変化について歌っているわけですが、その時間と変化がまた二人を大人の人間として、職業上のパートナーとしてうまくやっていくことを可能にしているのでしょう。とは言え、昔別れた女が歌う別れの曲でギターを弾くLindsey Buckinghamには少々、複雑な思いがあるのではないでしょうか?

これは、Tori Amosが好んでコンサートで演奏する曲でもあります。一番好きと言っていたかもしれません。しばらく休止状態で、もうなくなってしまったのかしらと心配していた、Tori Amosのコンサート音源を配布しているサイト、Diagnosed Soundがこの前、見たら復活していたので、そのサイトからTori Amosバージョンもどうぞ。 "Landslide" by Tori Amos

この曲のよいところは、別れによって起こる変化を詩的に、かつ的確に表現しているところだと思います。恨みつらみやら未練といった感情に集中することなく、別れという出来事をイメージ豊かに歌っています。誰かと一緒にいるということは、自分の人生のなかにその彼の居場所を確保することであると同時に、自分の人生を彼の周りに構築していくということ。それは山に登るようなものなのです。でも、その彼と別れるということは、登ってきた山からずるずると滑り落ちてしまうこと。自分が描いていた人生設計図をまた別のものに描き直さないといけません。

登るのに要した時間に較べて、降りる時間の短いこと。足を一歩ずつ踏みしめることはなく、ずるずると下までアッと言う間に落ちてしまうのです。それは一歩ずつ踏みしめてきたあいだの時間と労力を考えれば、そしてそのあいだに自分がとった歳を考えれば、この別れがもたらす影響は恐ろしいこと。むなしいことです。でも、それでもまた、人は次の山に登るのでしょう。今度は雪崩が起きないことを願って。

原詞はこちらから

雪崩
(landslideは実際には地滑りであり、雪崩はavalancheですが、ここに描写されている山に雪がある、ということから雪崩にしました)

作詞:Stevie Nicks
訳:Gil-Martin

わたしは愛を胸に抱き、そしてそれを捨てた
わたしは山を登り、そして引き返した

わたしは雪に覆われた丘に映った自分の姿を見つめていた
雪崩がわたしをふもとまで引きずり降ろすまで

空はわたしを映す鏡
愛って何なのかしら?
わたしの心のなかに棲む子供がまた外に出てこれるかしら?
変わりつつある大海の潮のあいだを乗り越えていけるかしら?
わたしの人生にやってくる違う季節を受け入れられるかしら?

わたしは変化を恐れていた
なぜなら自分の人生をあなたの周りに創りあげてきたから
でも時間が経って、人は大胆になる
子供たちも大きくなる
わたしも歳を取った

わたしは変化を恐れてきた
だって、わたしは人生をあなたの周りに組み立ててきたんだから
でも、時間とともに人は次第に大胆になり
子供たちも大きくなる
わたしも歳を取った

だからこの愛はもう終わりにしましょう
もし山に登って、引き返し
雪に覆われた丘にわたしの姿が映るのを見たら
そう、雪崩があなたを下まで降ろしてくれる

もし雪に覆われた丘にわたしの姿を見たら
もしかしたら雪崩があなたを下まで導いてくれるかもしれない
そう、雪崩があなたを下まで引きずり降ろしてくれる

*アーティスト:フリートウッド・マック
作品:フリートウッド・マック
   「ランドスライド」    

| gil-martin | 音楽 | 20:48 | comments(4) | trackbacks(3) |
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コメントありがとうございました。
この曲淡々と歌われる中に深い味わいがあって素晴らしい曲ですよね。
それにしてもマーティンさん(←勝手にこう呼ばせて下さい(笑))のブログは力作ですね。
又、寄らせて下さい。
とりあえず挨拶させて頂きました。
| OZZY | 2006/04/23 1:09 PM |
OZZYさま
コメントありがとうございます。わたしも時々、遊びに行かせていただきますね。
| Gil-Martin | 2006/04/23 8:21 PM |
「Landslide」名曲ですね。記事を読んで、意を強くしました。
| mersaku | 2010/09/02 8:00 AM |
「雪崩」という題名や
歌詞和訳も独自解釈も、
色々と摩訶不思議で面白いですねえw

「別れ」の歌じゃないですよ。

まともに訳せているのが、
ネット上には現時点で一つもない。
それだけは断言できる。
| xxyyzz | 2011/04/18 2:14 AM |









http://gil-martin.jugem.jp/trackback/53
フリートウッド・マック 3
フリートウッド・マックの2枚組ベストアルバム『ヴェリー・ベスト・オブ〜』。 本当に素晴らしいグループの素晴らしい音楽をタップリ堪能する。 文字にするだけで、素晴らしいですね。 そんな至福の時を与えてくれる数少ないグループがこのフリートウッド・マック
| まい・ふぇいばりっと・あるばむ | 2006/04/23 1:50 AM |
Thanks The Dent.com !
Thank you all for the best 10 years of my life! Posted Fri, May 05, 2006 - 11:54pm ET | Toriphiles It is so hard to believe, but the end of The Dent is here. I was hoping to have something really profound to say, but I think my earlier reti
| ひかりのしま | 2006/05/06 11:18 PM |
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