Gil-Martinの部屋

Gil-Martinの愛する音楽、感じたことなどなど

***当ブログに掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します***
<< スモーキーな声っていえば | main | 大自然のなかの愛と性 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
男を(そして人生を)見直すとき
やっぱり今さらなんですが、Butterfly Effect(『バタフライ・エフェクト』)を見ました。公開時に面白いと評判でした。けれども、見なかった理由はおそらく多くのインディ映画好きで見なかった人たちと同じだと思います。Ashton Kutcher。
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
Ashton Kutcherが日本でどのように見られているのかよくわからないのですが、アメリカでの位置づけはティーンエイジャーの女の子たち向けアイドル。今はDemi Mooreと結婚したことで有名になったけれど、その前はThat 70's Showというコメディ番組で名を知られるようになりました。ここが番組のサイト→本家/日本版(去年、Ashtonは番組を降りました)。70年代の少年少女を描くコメディで、Ashtonは顔はいいけど、相当な馬鹿というキャラクター。そして、彼はMTVのPunk'dという有名人にいたずらして喜ぶ番組のホストでもあります(Punk'dのオフィシャルサイト)。なので、彼を好きとは言いきるのは、かなり勇気がいること。いくら彼が真面目なインディ映画を撮ったらしいと聞いても、すぐさま飛びつくのは無理でした。……ところが、ところが、でしたね。やっぱりティーン向けだと言うべきかもしれません。ティーン向けスリラーという位置づけが妥当かな。しかし、意外に面白い。結構楽しい。

一つ、常々、感じている疑問は、このAshton Kutcherを日本では「アシュトン・カッチャー」と表記しているらしいこと。本当は「クッチャー」のほうがずっと近いです。あまりにもつづりと発音が違う場合とか日本人に発音不可能な音の場合、日本語表記がちょっと変なのは納得できるけれど、この場合、つづりをそのまま発音した名前なのに、なんでこんなことになってしまってるんでしょ? 誰のせい? 

Butterfly Effectのポイントは、物事の連鎖です。蝶のはばたき一つが地球の向こう側では嵐になっているかもしれない。……む? これって風が吹けば桶屋が儲かるってこと? ともかく、人生の一つの出来事を変えると、それが様々なことに影響して、その人と周りの人の人生をすっかり変えてしまうよというのがコンセプトです。でも、見ているとどうやら、世界の不幸の総量は変えられないよ、という結論なのかなという気になってきました。誰かが幸せになると他の誰かが不幸になる、誰かが犠牲を払うとその分他の人が幸福になる。なぜかわからないが父親と同じように過去に戻ってやり直しをする能力を持ったAshton Kutcher扮するエヴァン・トレボーンは、その不幸の総量を減らそうと努力するわけです。……永遠に成功しないかと思ったけれど、最後はそれなりに幸せになれるのですが(ややネタバレ)、それでも実は自分の眼に見える範囲内の不幸量を減らしただけかもしれないぞ、とわたしは思いました。

AshtonKutcherにしても、彼が変化を加える前の人生、かなり不幸です。彼自身というよりは、周りが。にも関わらず、彼はそれなりにまっすぐ育ち、州立大学の心理学専攻の学生になります。ちょっと地味目の頭脳派なEvan。あごひげの長髪。これが第一バージョンです。……このAshton、わたし、結構好みです。で、そんな自分にちょっとショックを受けてしまいました。なんか自分がdirty old manならぬ、dirty old woman(エロババア?)になってしまったような気がしたのです。が、実は彼、今28歳なんです。全然、問題ないんです。よかったー。AshtonのイメージがDemi Mooreのboy toy、ってことで、すごく若い、まるでせいぜい法定年齢ぎりぎりか、というイメージだったんですが、結構いってたのね。


ところが、彼が少々人生を修正すると、今度はEvanはfrat boyになってしまいます。Fraternityというのは日本の人にはあまりなじみのないシステムですが、大学のいわゆるグリーククラブというもので、選ばれた人だけが入れる(先輩が選抜する)クラブです。大学の構内にそれぞれクラブごとのお家があり、そこで共同生活するのです。いいところのボンボン、WASPに限られるというのがもともとの選抜規格なのですが、最近はだんだんPCになって、人種・宗教を問わない、セクシュアリティを問わない場合もあるし、黒人学生だけのfraternityもあります。……青春ドラマのDawson’s Creekでは(って見てたことを恥を忍んで告白しますが)、すでにカムアウトしたゲイのJackがfratに受け入れられて有頂天になっていたら、後でこの「おカマ!」と実は馬鹿にされていることに気づいたというエピソードがありましたね。ともかく、frat boysというのは、特権階級に属していることを鼻にかけているヤな奴、というのが普通のイメージ。下級生に拷問まがいのことをしたり、お酒飲んでばかりでパーティ三昧、勉強もしない。

……で、最初のバージョンでは、ゴスパンクのルームメイトと仲良く、ちょっとルーザーだったけど、頭脳明晰でいい奴だったEvanが、fratに入っていやーな奴に様変わり。洋服もRalph LaurenとかTommy Hilfigerとかを着てる感じ。髪も少々短め、ひげもトリムされていました。ここで、わたし、性格だけじゃなく、全然まったく少しも、Ashton Kutcherがかっこいいとは思えないことに気づきました。すごーく限定されたバージョンのAshton Kutcherが好きみたい、わたし。ここでEvanが自分の彼女のsorority house(sororityっていうのは、fraternityの女の子バージョン。みんな細身で金髪ストレート、ちょっと前はBebe、今は多分、Juicy Coutureを着てるイメージ)で、ほぼ全裸で女の子たちのからかうような視線を浴びながらバスルームに向かうところ、これはまさにいつものAshtonらしいヒトコマでした。

この二番目のシナリオにも実は大きな欠陥があり、彼はなんと刑務所に入ることになります。そこでやっぱりやり直し。その次は彼は身体障害者に。そしてその次は精神病院に。ここで、彼は自分が人生を書き換えられるというのは、嘘なんだよと言い聞かせられます。大学だって、fraternityだって、刑務所だって、全部夢。ありがちなパターンですよね。こんなこと、あんなこといろいろあったけど、実は全部、夢だった、とか精神が創り出した妄想だった、とか。ここで思い出したのは、Buffy the Vampire Slayerの後期の傑作エピソード、”Normal Again”(6−17)(こちらがBuffy)。ここでBuffyは精神病院に入っていて、自分がvampire slayerだなんていうのは、全部彼女の精神が創りあげた妄想なんだといわれるんです。ま、ありがちな設定ですが、最後が泣けるんですよねえ。ううっ。……はい、わたしBuffyとAngelのファンです。二つとも終わってしまったときには、これからどうやって生きていこうかと思ってしまいました。いつの日か、全エピソード、DVD揃えます。

というようなことがいろいろありまして、最後には無事、Evanも無事、大きな不幸のないシナリオを選ぶことができ、最後には念願の精神科医になります(そのAshtonもそれほど好みじゃなかった――結論:クリーンカットのAshtonはダメ)。彼が鍵だと思った部分以外で、今までの不幸の皺寄せはどこかに来ているんじゃないかなあとわたしは思いました。悪の根源はEric Stoltzなんですけどね。何はともあれ、自分の男の好みを考え直す機会となりました。普通の幸せを手に入れづらい、男の好みです。わかってはいたけれど。
| gil-martin | 映画 | 22:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 22:11 | - | - |









http://gil-martin.jugem.jp/trackback/49
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< July 2017 >>
+ SPONSORED LINKS
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ RECENT TRACKBACK
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ BlogPet
+ amazon.co.jp
+ タグふれんず
+ MOBILE
qrcode
+ PROFILE