Gil-Martinの部屋

Gil-Martinの愛する音楽、感じたことなどなど

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さようなら、友よ―泣ける曲2
"For a Friend" by the Communards

今日はすごくストレートに哀しい曲です。でもまったく「ストレート」ではありませんが。

Jimmy Somervilleは、Bronski Beat時代、The Communards時代を通し一貫して、飽くことなく「ディスコミュージック」を作り続けるアーティストです。「ゲイディスコ」の伝統を守り続けるアーティストですね。もちろんゲイであることを隠さないアーティストも今日ではたくさんいます。例えば、大物で言えばElton John、George Michaelですね。若手であれば、Rufus Wainwrightもいるし。しかし、ゲイであることが最初の最初からもっとも音楽性の中心に刻まれているのは、彼だと思うのです。

「ゲイディスコ」という系統から言えば、もちろんPet Shop BoysやらErasureも挙げられます(いや、Soft Cellもそうでしたが、Marc Almond自身はダンスミュージックをやりませんもんね)。ですが、他の二つがより音楽的に凝っているのに較べ、Jimmy Somervilleはもっと素直にディスコミュージックをやり続けています。簡単に言えばもっと安っぽい、ということにもなるのですが――彼自身もそれを承知の上でやっているところがまたいいと思います。もっともゲイであることを隠していないことの表れでもあるかもしれません。

彼は少しも臆することなく、ゲイであること、そしてゲイのラブソングを歌います。Bronski Beatとしてデビューしたときの最初のヒット曲"Smalltown Boy"(1984年)は、自分のセクシュアリティに正直に生きるために自分の生まれ育った家を出て、都会に向かう少年のことを歌った歌でした。

彼の特徴は、非常に高音のファルセットです。往年のディスコヒット"I Feel Love"のカバーをMarc Almondとデュエットしたとき(当時、Jimmy SomervilleはBronski Beat)、彼の高音は最大限に生かされていましたね。彼はすべてファルセットで歌います。そして外見はヒヨコ(?)のよう。頭頂上部にポヨポヨと毛が生えていて、ほら、いるじゃないですか、赤ちゃんのような顔のまま、歳を取っていく人。そういうことも考えると、Jimmy Somervilleのゲイっぷりは堂々たるものです。
(Jimmy Somervilleの写真、歌、そしてビデオはこちらから

今日、泣ける曲として取り上げるのはディスコではなく、The Communards時代のピアノバラードの”For a Friend”です。ゲイの人々にとって八十年代以降、大きなテーマとなってきたのが、恋人、友人を含め、身近な人のAIDSによる死です。文学や映画、演劇では、ゲイの人にとってのAIDSが語られてきていますが、音楽においては意外にないですね。1年くらい前にErasureのAndy BellがHIVに感染していることを発表しましたから、もしかしたらErasureは曲のなかでもこれからAIDSを重要なテーマとしていくかもしれません。が、Jimmy Somervilleは1988年のアルバム、RedですでにAIDSによって失った友人のことを歌った美しいバラードを発表しています。
Red
Red

彼は友人の死を電話で知らされます。暗闇が迫るなか、彼は友人を思い出します。夏に「愛とプライド」のために一緒に腕を組んで行進した、ということは、二人が一緒にゲイ・プライド・パレードに参加したことを思い出しているのですね。ゲイ・プライド・パレードは通常、夏、ストーンウォール騒動を記念して6月に行われます。二人はただ友達であるだけではなく、同志でもありました。ゲイであることを普通に受け入れてもらえる世の中にするため闘ってきた彼らの夢を諦めない、と友の死に際して彼は誓うのです。……この辺り、LAの公衆トイレでおとり捜査中の警官を誘って捕まったGeorge Michaelには到底、説得力を持って歌うことのできない内容ですね。Jimmy Somervilleは、能天気にゲイの恋を歌い、ゲイディスコで踊りながらも、ゲイである自分たちの居場所を世界のなかに確保しようとする人々にとって大変大きな力となり続けているのです。

なんて真面目なことを言ってしまいましたが、さよならのキスをしたい、というのを見ると、あー、ゲイの人たちだなあと感慨もひとしおなのでした。英米のストレートの人は男の人同士でキスしないですからね。気持ち悪い、と言って。東欧とかはできますよね? ま、そうしたところで日本の男性にすれば、なんで英米の男同士にしてもハグができるのかな、と思うでしょうね。ともかく、失った友人への思いがファルセットで歌われるこの歌は、聴くたびに泣きそうになるくらい美しいのでした。

友へ
歌詞:Jimmy Somerville
訳: Gil-Martin

今までこんなふうに泣いたことはない
君のために泣いたほどには
受話器を置くと、また世界は動いていく
誰かがどこかでやっぱり泣いている
誰かが友を失くし、きっと僕と同じ気持ちでいる
僕は置いてきぼりにされた気がする
でも君は僕の心のなかにいる
太陽が落ち、世界が暗闇のなかに消えていくのを見ていると
君の想い出が押し寄せてくる
太陽が落ち、世界が暗闇のなかに消えていくのを見ながら
僕がしたいことは君にお別れのキスをすることだけ

夏が来れば僕は思い出すだろう
僕たちが腕を組んで、愛とプライドのために行進したのを
涙が怒りと恥ずかしさに変わる
僕は君をがっかりさせない、僕たちの闘いを諦めはしない

僕たちの夢は僕がずっと受け継いでいく
太陽が落ち、世界が暗闇のなかに消えていくのを見ていると
君の想い出がよみがえってくる
太陽が落ち、世界が暗闇のなかに消えていくのを見ながら
僕がしたいのは君にお別れのキスをすることだけ

僕たちの夢はすべて僕がずっと抱えていく
太陽が落ち、世界が暗闇のなかに消えていくのを見ていると
君の想い出がよみがえってくる
太陽が落ち、僕を暗闇が包むとき
僕がしたいのは君にお別れのキスをすることだけ

アーティスト:ザ・コミュナーズ
作品:レッド
   「フォア・ア・フレンド」

| gil-martin | 音楽 | 21:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
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